特別講座リポート 中世の壱岐安国寺 (2022.12.18更新) |
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12月18日(日)、特別講座「中世の壱岐安国寺」を開催しました。講師は、九州大学・名誉教授の佐伯弘次先生です。 壱岐市芦辺町深江栄触に在る安国寺には、壱岐の中世の歴史を物語る貴重な資料が数多く所蔵されています。 特に、昭和50年には絹本着色羅漢像など什物10点が県指定有形文化財となりましたが、この度、令和4年3月、 安国寺の中世文書11点が新たに県指定を受けています。 今回の講座では、新たに県指定を受けた文化財について、室町幕府第3代将軍・足利義満が、僧の顕悦にあてた 公帖(公文書)など、1点ずつ解説を頂きました。特に、文書に押された義満の花押(サイン)の時代的な違いをはじめ、 室町幕府が発行した公文書にみられる独特な折りすじなどの特徴と共に、文書が伝える歴史的背景について わかりやすく説明されました。 佐伯先生は、「足利尊氏による文書は九州内にも残っているが、義満による文書は長崎県下にもほとんど残っていない。 よくぞ、この安国寺に残って伝来してくれました。」と話され、その価値を裏打ちする貴重な講座となりました。
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