特別講座リポート 古代壱岐の豪族と東アジア・大和政権 (2023.06.18更新) |
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6月18日(日)、特別講座「古代壱岐の豪族と東アジア・大和政権」を開催しました。講師は、佐世保工業高等専門学校基幹教育科 (歴史)の堀江潔教授です。 『欽明紀』『先代旧事本紀』『万葉集』など、合計12の史料から一部を抜粋し、現代語訳で紹介しながら、4世紀代、5世紀代、 6世紀代前半代、6世紀後半代の東アジア諸国のすがた、大和政権や壱岐の豪族の活動や貿易・外交ルート等について 解説を頂きました。 5世紀後半に造営された壱岐最古級の大塚山古墳(円墳)に当時、朝鮮半島から伝わった最新の石室構築法が採用されていること からも、朝鮮半島との関係の強さがうかがえます。 6世紀前半には、継体朝による対朝鮮半島外交の積極化にともない、壱岐の豪族が渡海支援を引き受けた見返りに、 畿内に土地を与えられ、月神祭祀が許されました。壱岐島内3ヶ所に小型の前方後円墳が造営されています。 6世紀半ばから後半には、磐井の乱鎮圧に協力した豪族が勢力を強め、大型前方後円墳や巨石円墳を造営し、政治的にも 経済的にも実力を獲得しました。 壱岐の豪族は6世紀後半に向かってますます勢力を増し、東アジア諸国や大和政権にも深く関わっていきました。それは古墳の 造営時期や規模も裏付けていきます。壱岐島の古代史の奥深さ、面白さにあらためて気づきを与えて下さる、 貴重な講座となりました。
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