特別講座リポート みんな、植物と生きている (2024.02.18更新) |
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2月18日(日)、特別講座「みんな、植物と生きている」を開催しました。講師は、大阪市立自然史博物館の長谷川匡弘学芸員です。 人間は、暮らしの中のどのような場面で植物を使っているのでしょう。実はとてもたくさんあるということに、まず長谷川先生が 気付かせてくださいました。 住む環境においては、家の柱や壁、床などの木材。食事においては、ジャガイモ、玉ねぎ、ごぼうなどから七味まで幅広く。 着衣にも綿や麻が使われるなど、植物をさまざまに活用しながら生きていることがわかりましたが、原産地が日本ではないものが 大変多いという点も現状として伝えて下さいました。 そして、植物が持つ「毒」とその利用についても詳しく解説をして頂きました。ほぼすべての植物が毒を持っているが、人間の生活に おいてはたとえば漢方薬「附子」として鎮痛作用の効果を得たり、蚊取り線香などの虫よけ、柿の葉寿司など抗菌作用による保存効果の 持続などにうまく利用していることを解説して下さいました。 壱岐島には、住まいの背部に山、前部に畑をかかえた家がよくあることに触れつつ、「今から100年ほど前までは植物と人間の関係は 密接だった。希薄になってきたのはこの直近100年以内。縄文時代より地域の自然を大事にして生きてきたが、この現代わずか1% ほどの歴史上において地域の山を切り崩すなど人の手が入り始めた。人間生活の「いざ」というときに大切なのは、植物。植物を 知って大切にすることは、生きる力を高めることにつながる。」とのメッセージを頂きました。
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