|
大正から昭和にかけて活躍した木版画家・川瀬巴水(1883-1957〔明治16-昭和32〕年)。近代化の波が押し寄せ、街や風景がめまぐるしく 変貌していく時代に、巴水は日本の原風景を求めて全国を旅し、庶民の生活が息づく四季折々の風景を描きました。巴水とともに木版画制作の道を 歩んだのが、新時代の木版画「新版画」を推進した版元の渡邊庄三郎(現・渡邊木版美術画舗初代)や彫師、摺師といった職人たちです。 四者は一体となって協業し、伝統技術を継承しながらもより高度な技術の活用を求めました。そして新たな色彩や表現に挑み続け、 「新版画」を牽引する存在として人気を博します。 本展では、季節や天候、時の移ろいを豊かに表現し「旅情詩人」とも呼ばれた川瀬巴水の画家としての生涯を、初期から晩年までの 代表的な作品とともに紹介します。約90点を展示し、叙情的な巴水の世界へと誘います。
■第73回特別企画展 川瀬巴水 旅と郷愁の風景 会期/令和7年4月18日(金)〜令和7年6月8日(日) 場所/1階 テーマ展示室 観覧料/一般400円、小中高生200円、未就学児無料、年間パス所有者無料、障がい者手帳保持者および介助者1名無料 主催/壱岐市立一支国博物館 特別協力/渡邊木版美術画舗 資料提供/大田区立郷土博物館 企画協力/ステップ・イースト 後援/壱岐市、壱岐市教育委員会、長崎県埋蔵文化財センター、壱岐市観光連盟 ※すべて版元・渡邊木版美術画舗蔵
【関連講座】《特別企画展関連講座》近代風景版画家・川瀬巴水と浮世絵の世界 内容/開催中の第73回特別企画展「川瀬巴水」展についてお話します。明治に入ると、江戸時代の代表的な大衆文化であった木版画は、 写真や印刷技術の発展により廃れつつありました。そんな時代に、昔ながらに絵師・摺師・彫師が三位一体となって制作した 木版画は「新版画」と呼ばれ、川瀬巴水はその代表作家でした。あのスティーブ・ジョブズも愛した、情感・風情・郷愁・哀愁 あふれる川瀬巴水の木版画をお楽しみください。 日時/令和7年4月20日(日)14:00〜 講師/河合恭典(当館 副館長)
|
|