百合若大臣によって退治された鬼たちは、天空から、壱岐にもどる機会をうかがっていたそうな。その鬼が、再び壱岐の島に降りてこないように、壱岐に住む人たちは、悪毒王の首が百合若大臣の兜に取り付いた様子を描いた鬼凧を天に向けて揚げたらしい。それを天空から見た鬼たちは、怖気(おじけ)づいて、二度と壱岐の島には降りてこなかったとさ。
鬼凧の背には弓状に張った弦(つる)を取り付け、空中では、「ビューン ビューン」と音がするのが特徴です。今日では、凧揚げの目的以外に、家の魔よけとして飾られています。